観音検定
過去の出題から例題(回答と解説)
- 問1.観音はどのグループに属するホトケ?
1.如来 2.菩薩 3.明王 4.天部
ヒントは名前の末尾にあり。
答えは「2」
じつはホトケの世界にも上下関係があります。
最上位は厳しい修行の末に悟りを開いた「如来」
二番目は悟りを開こうと修行に励む「菩薩」
三番目は目を見開いて怒りの表情で悪を睨む「明王」
四番目は昔のインドの神様で仏の世界を守る「天部」
阿弥陀如来、地蔵菩薩、不動明王、弁財天。聞いたことある名だと思いますが、こうしたグループに分かれそれぞれ役割があります。仏像の一言で終わらせるにはもったいない面白い世界ですよ。
- 問2.十一面観音が左手に持っている「持物(じもつ)」は?
1.薬壺 2.宝塔 3.香炉 4.水瓶
ヒントは像を見れば…とはいえ、それがそうなのかちょっと悩みますね。
答えは「4」
持物とは字のごとく仏さまが手にされておられる物。持物から何の仏像かを見分けられ、また持物にはそれぞれ役割があります。
薬壺:万病を癒す薬がはいっている壺
宝塔:仏舎利(釈迦の遺骨)を納めた塔
香炉:香を焚き清める
水瓶:甘露水が入っていて、ふりかけると穢れが消える
千手観音はこれでもかと色々な物を持っていますね。中には髑髏のついた杖なんてのも。
- 問3.一般的な千手観音の腕の数は、何本であらわされる?
1.12本 2.33本 3.42本 4.100本
ヒントは後背の腕ひとつひとつが25の世界を救います。
答えは「3」
25の世界とは天上界から地獄界まで25の世界があるとする仏教の世界観です。ちなみに天上界の最高の天を有頂天と言います。
千手観音の掌には眼があるとされ、また、手に目がいきがちですがよく見ると頭上面があり、11の顔があります。
誰も漏らさず救済しようとする慈悲と、世界を越えて力の及ぶ広大さを表すお姿と言うわけですね。
- 問4.十一面観音の後頭部に配される小面の名称は?
1.暴悪大笑面 2.憤怒面 3.牙上出面 4.菩薩面
ヒントは怒りが極まりもう~しかないってお顔。
答えは「1」
お堂に祀られている像は後ろから見る機会が有りませんが、渡岸寺の十一面観音は全周見回せ、後ろのお顔も見ることが出来ます。
1.暴悪大笑面は悪をあばいて笑いで滅する笑いの表情
2.憤怒面は眉を釣り上げ口をへの字に曲げる怒りの表情
3.牙上出面は結んだ口の間から牙が見える讃嘆の表情
4.菩薩面は穏やかな佇まいで人に楽を与える慈悲の表情
その他、頭頂部には仏面という究極の悟りの表情のお顔がありますが、これがいわゆる仏頂面というわけです。
- 問5.馬頭観音は、頭の上に何を載せている?
1.牛の顔 2.馬の顔 3.ちょんまげ 4.白蛇
ヒントは…素直に答えてもらえれば…。
答えは「2」
馬頭の名から馬の守護仏として祀られ、あらゆる畜生類をも救う観音ともされています。
他の観音像が女性的な穏やかな表情であるのに対し、一般に馬頭観音は目を吊り上げ、牙をむき出しにした憤怒相をしている事がほとんどで、馬頭明王と呼ばれる事もあります。
しかし、高月町横山の馬頭観音は柔和相をしている珍しい像です。
- 問6.高月町片山観音堂の十一面観音は○○○○との伝承もあり、琵琶湖を望み湖上の安全を守っている。
1.津波を返した 2.嵐を静めた 3.火災を収めた 4.洪水を防いだ
ヒントは琵琶湖。琵琶湖で?と思うかもしれませんが。
答えは「1」
片山は港を有し、古くは湖上交通の拠点となった地域です。
片山神社の階段を上った、琵琶湖を一望できる高台から湖上の安全を守っています。
東京上野のびわ湖長浜 KANNON HOUSEへ、「琵琶湖の安全だけでなく、広く日本全国を天災から守っていただきたい」との地元の方々の願いから出陳されていた事もあります。
- 問7.高月町宇根、冷水寺の十一面観音は、戦乱を受け焼損したが、鞘仏を被せた○○○○として現在も守り伝えられている。
1.磨崖仏 2.胎内仏 3.舎利弗 4.懐中仏
ヒントは仏様の中という意味。
答えは「2」
刀の鞘と同様、中が空洞になっていて、他の仏像が納められています。
本尊は賤ヶ岳の合戦で焼き討ちに遭い、村人が助け出した時には既に大きく焼損してしまいました。以来人目に触れぬようにされてきたのですが、ある時観音堂の扉が自然に開き、そのお姿に驚いた村人たちが京都で鞘仏を作り本尊を納めたと伝わります。
- 問8.高月町西野の正妙寺には非常に珍しいお姿の観音像が安置されています。その特徴は?
1.千手千足 2.千眼千足 3.千面千足 4.千耳千足
ヒントは選択肢から下半身は千足とわかりますね。上半身は珍しいわけではないです。
答えは「1」
瞋怒相をされた、千足(40本)をもつ全国的にもとても珍しい観音様です。手と合わせ、だれでもどこへでも駆け付けて助けてくださるとの表現なのでしょうが、とてもコミカルで、瞋怒相が忙しすぎて必死の表情に見えてくるかわいらしい観音像です。
- 問9.渡岸寺観音堂(向源寺)の仏像は、戦火の中、村人が守ったと伝える。その方法は?
1.地面に穴を掘って土中に隠した 2.川に沈めて焼かれないようにした 3.背中に担いで安全なところに避難した 4.神社の床下に隠した
ノーヒントで。
答えは「1」
戦国時代の舞台ともなった湖北の地、柴田勝家の軍勢が北国街道木之本から速水、北国脇往還春照まで放火したとも伝わります。村人はあの手この手で観音様を守ろうとしました。
渡岸寺ではかいあって損傷を免れ、国宝十一面観音の中で最も美しいとまで言われます。
- 問10.NPO 花と観音の里が、観音の里歴史民俗資料館と共催して実施している観音検定。さていつから始まった?
1.平成15年 2.平成18年 3.平成23年 4.今年が初めて
答えは「2」
花と観音の里がNPOの法人認可を受けたのが平成18年。高月駅の改築に合わせた駅周辺活性化事業の構想を受けて、高月町の総合的なまちづくりの企画、提案、調整をする組織として設立されました。
そこから毎年続いていますので、けっこうすごいでしょ?